翻訳テクニック集 目次

scenario

英文マニュアルを読んでいると、scenarioという単語がよく出てきます。例えば、具体的な設定値の例を示した後に、その例をscenarioで受けることがあります。

For this scenario, the following system configuration is recommended:

日本語に翻訳するときにこのscenarioをそのままカタカナに置き換えて「シナリオ」とすると、かなり違和感があります。

このシナリオの場合は、以下のシステム構成を推奨します。

日本語で「シナリオ」と言った場合は筋書きをイメージするからです。

意味を考えずにカタカナで置き換えただけの訳文が続くと、読んでいるだけでうんざりしてきます。

注: ここでは訳文を対比するために「……を推奨します」と訳出しています。翻訳を工夫する余地がありますが、この訳については別項で検討します。

scenarioは、文脈に応じて訳し分けると訳文が分かりやすくなり、日本語としての据わりもよくなります。上記のように具体的な設定値の例を指す場合は、以下のように翻訳することができます。

この条件の場合は以下のシステム構成を推奨します。

「例」や「事例」という訳語もいいですね。

システム構成について説明する文脈であれば「環境」と翻訳することもできます。例えば、クラスタ環境と対比してスタンドアロン環境を取り上げて具体的に説明しようとする場合は、この訳がぴったりです。

この環境の場合は以下のシステム構成を推奨します。

英単語をカタカナに置き換えるだけで済ませると、訳文の意味が分からなくなってしまいます。

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