あるユーティリティ プログラムの動作に関する説明の後に、そのユーティリティの出力例が記載されていました。その出力例の導入部分は以下のような英文でした。
The following SQL statement is an example construction by SQLmaker utility:
この英文がそのまま逐語訳されていることが多いのです。
以下のSQL文は、SQLmakerユーティリティによる作成例です。
example constructionを「作成例」と翻訳しているところはとてもよいのですが、技術系のドキュメントで例を提示するときに「以下 (次) の……は……の例です」という言い方はしません。とても気持ち悪いです。
例を提示するときは通常「……の例を以下に示します」と書きます。ここではSQLmakerユーティリティがSQL文を作成したわけですから、素直にそれをそのまま訳文として表現すればOKです。
SQLmakerユーティリティによるSQL文の作成例を以下に示します。
動詞で書くのもいいですね。
SQLmakerユーティリティが作成するSQL文の例を以下に示します。
シンプルに見出しとして翻訳してしまう方法もあります。
SQLmakerユーティリティによるSQL文の作成例:
予算も時間も限られた中で大量のマニュアルを翻訳しようとすると、コスト削減のために、起用できる翻訳者のレベルもそれなりのレベルになってしまいます。結果として、最初に示したような妙な訳文になってしまうのでしょう。
しかし、プロモーション用のWebサイトや集客用に配布する読み物など、潜在顧客を振り向かせたいときは丁寧にアプローチしたいものです。販売側の都合が前面に出てしまうと、潜在顧客は逃げていきます。なんだか恋愛と似ています。