外国のテレビ番組を日本語に翻訳したものを見ていると、言葉が耳に引っかかることがあります。先日はこんな表現に引っかかりました。
完全な複製
日本語ではこのような言い方をしませんね。
full、perfect、completeなどが「完全な」や「完璧な」と翻訳されている例をよく見かけます。確かに英和辞典を引くと「完全な」という訳語が載っていますが、日本語で「完全」や「完璧」という言葉を使う文脈は限られます。訳語を工夫しなければなりません。
複製であれば
忠実な複製
正確な複製
としたいところです。
別の例として、製品の日本語版マニュアルでcomplete descriptionを「完全な説明」、complete listを「完全なリスト」と翻訳している例もよく見られます。安く大量に翻訳するとなると、このような訳になってしまうのでしょう。complete descriptionなら「詳細な説明」がぴったりです。complete listはすべて漏れなく列挙したリストという意味ですから、「一覧」と翻訳すれば違和感なくまとまります。